あれから通されたのは畳六畳ほどの小さな部屋だった。
荷物の整理を終えれば、とある部屋へ呼び出される。
そこは広い畳張りの床とガラス細工の施された照明が灯る大広間だった。
「ふぅ~ん…そう。この子が例の…」
「悪いな。急に決まったことなんだ」
奥には父親と…二人ほど誰かも一緒だ。
父親の側に正座した女性とは入室してきたタイミングで目が合う。
「あらいいのよ?ちょうど使用人が一人辞めたとこなの。人手も欲しかったとこだし」
その女性・由紀江さんはクスリと笑う。
この人が父の言っていた妻にあたる人か。
つまりは時雨にとって異母という立場にもなる。
だがどうも気に入らない。
扇子を口に当て、こちらを値踏みするかのような目。
一目見て思ったが、由紀江さんはどうやら派手好きのようだ。指には宝石の散りばめられた指輪を嵌めて、首からは真珠の輝くパールのネックレスをさげていた。顔は厚化粧で特に真っ赤な口紅が印象的だ。
その姿は時雨の母と似ても似つかない。
「ま、そこそこマシな顔かしら。使用人とはいえ、不細工じゃ久野家の顔が立ちませんことよ」
「ええ、その通りですわ!」
今度は視線を移して由紀江さんの隣に座る女性。
その子はとても綺麗な着物に、これまた綺麗な顔をしていた。
ハニーブロンドの巻き髪には大きなリボンをつけて花柄の着物姿で上品に手をあて笑っている。年齢的には時雨と大差はないだろう。
「時雨、挨拶しろ」
「は、はい!はじめまして。久野時雨と申します。今日からお世話になります」
慌てて近くにしゃがめば挨拶をする。
すると上からはクスクスを笑い声が聞こえた。
「私は久野一華よ。これから宜しくね?お姉様」
薄々勘づいてはいたが彼女が父の娘だったよう。
時雨とは歳が一つ下らしい。
「もう一華!お姉様ですって?こんな子をそんな風に呼ぶのはおよしなさい。庶民なとこきてあの忌々しい女狐の子なのよ?」
「ごめんなさい…お母様。私はただ仲良くなりたくて、、まさか庶民の出だとは思わなかったのぉ~」
アハハと笑い出す一華。
初対面から馬鹿にしたような口調ぶりで時雨はいい笑い者だった。
荷物の整理を終えれば、とある部屋へ呼び出される。
そこは広い畳張りの床とガラス細工の施された照明が灯る大広間だった。
「ふぅ~ん…そう。この子が例の…」
「悪いな。急に決まったことなんだ」
奥には父親と…二人ほど誰かも一緒だ。
父親の側に正座した女性とは入室してきたタイミングで目が合う。
「あらいいのよ?ちょうど使用人が一人辞めたとこなの。人手も欲しかったとこだし」
その女性・由紀江さんはクスリと笑う。
この人が父の言っていた妻にあたる人か。
つまりは時雨にとって異母という立場にもなる。
だがどうも気に入らない。
扇子を口に当て、こちらを値踏みするかのような目。
一目見て思ったが、由紀江さんはどうやら派手好きのようだ。指には宝石の散りばめられた指輪を嵌めて、首からは真珠の輝くパールのネックレスをさげていた。顔は厚化粧で特に真っ赤な口紅が印象的だ。
その姿は時雨の母と似ても似つかない。
「ま、そこそこマシな顔かしら。使用人とはいえ、不細工じゃ久野家の顔が立ちませんことよ」
「ええ、その通りですわ!」
今度は視線を移して由紀江さんの隣に座る女性。
その子はとても綺麗な着物に、これまた綺麗な顔をしていた。
ハニーブロンドの巻き髪には大きなリボンをつけて花柄の着物姿で上品に手をあて笑っている。年齢的には時雨と大差はないだろう。
「時雨、挨拶しろ」
「は、はい!はじめまして。久野時雨と申します。今日からお世話になります」
慌てて近くにしゃがめば挨拶をする。
すると上からはクスクスを笑い声が聞こえた。
「私は久野一華よ。これから宜しくね?お姉様」
薄々勘づいてはいたが彼女が父の娘だったよう。
時雨とは歳が一つ下らしい。
「もう一華!お姉様ですって?こんな子をそんな風に呼ぶのはおよしなさい。庶民なとこきてあの忌々しい女狐の子なのよ?」
「ごめんなさい…お母様。私はただ仲良くなりたくて、、まさか庶民の出だとは思わなかったのぉ~」
アハハと笑い出す一華。
初対面から馬鹿にしたような口調ぶりで時雨はいい笑い者だった。



