お父様に連れられ、書斎の扉の前まで着くと……
「ルジェミア、入りなさい」
「あ、はい」
すぐさま、書斎に入った。
「あの、お父様。話したいことって何ですか?」
「それはな。急ですまないが、今日からルジェミアの執事となる者が来ることになっている」
「私の執事、ですか?」
「あぁ」
執事……
今までそんな人いなかったのに……
どうして、急に……?
「ルジェミアにはいつも申し訳ないと思っている」
「えっ……?」
急に話が変わり、首を傾げた。
「ルジェミアはいつも屋敷では酷い扱いを受け、外に出ても悪女と呼ばれ……私達家族の団欒でも居心地悪そうな顔をしているだろう?そうさせてしまったのは、私が原因だ。グロリア達を好きにさせてしまっているからな。私は本当に最悪な父親だよ」
「そんなこと、お父様のせいではありません。私はお父様だけでも味方になってくださることがとても嬉しく思っていますから」