やっぱり遅くなってしまったみたい。
今度からは気をつけないと……
「お母様、ルジェミアは私がお使いに出したのです。私が欲しい物を買ってきてくれました」
「まぁ、そうだったの」
コロッと態度が変わって、優しく甘い声になった。
お義母様と私は血が繋がっていない。
お母様とお父様は恋人同士だったみたいだけど、お父様には婚約者がおられた。
その婚約者がお義母様。
実はお父様はお母様と駆け落ちをして、その時に私を身籠もったらしい。
でも、お父様は結局連れ戻され、お義母様と結婚した。
私が幼い時にお母様が亡くなり、孤児院に引き取られそうになったところを娘の存在に気づいたお父様が引き取ってくださった。
そういう理由で、私は今もここで暮らしている。
お義母様は私が好きじゃないみたい。
でも、その理由は理解しているつもり。
駆け落ちの相手の子供だなんて、嫌だよね。