「ちゃんと私の頼んだ物を買ってきたんでしょうね?」
「はい、ちゃんと買ってきました。間違えてはいないはずです」
耳元で口を寄せ、さっきまでとは全然違う低い声で囁いた。
「さすが、私の妹ね」
今度はまたさっきの高い声に戻った。
「今からお父様とお母様と食事よ。早く来なさいね」
「はい」
お父様達とお食事するせいか、機嫌のいいお義姉様。
よかった……
今日は殴られずにすみそう。
ほっとしながら手を洗って、部屋着に着替えた後で食卓があるリビングに向かった。
「ルジェミア、来たか」
「遅くなりました」
「いや、そんなに待ってないから、大丈夫だ。席に座りなさい」
「はい」
優しいお父様は明らかに遅くなった私を咎めずに席に座らせてくださった。
「それにしても、ルジェミア。何をしていたの?」
お義母様に聞かれて、食べる手を止め、顔を上げた。
その瞳は遅くなったことを責めているようにも見える。