「…………」
相咲高校に完備された施設の1つであるパソコンルーム。
誰でも利用できる上に、使用時間に制限もない。
予約できないところが唯一の欠点かもしれないけど、席が空いていないなら空いていないで諦める人たちがほとんど。
「…………んー……」
インターネットに接続できる何かしらの携帯端末を持っていれば生きていくことができることもあって、パソコンルームの必須性はそんなにないかもしれない。
でも、必要な人には必要なツールだと思う。
このパソコンというものは。
「壊れた?」
幼い頃から夢見続けてきた、七瀬ちゃんとの再会。
そして、相咲高校最後の『おもてなし』制度の始まり。
いろんな出来事が一気に重なりあって、心臓の高鳴りが私の感情を揺さぶってくる。
(エラーで送信できないっていうけど、何が原因でエラーが起きているのかを知りたいのに……)
溜め息。
さっきから、溜め息が止まらない。
「…………」
私のおもてなしを担当してくれている七瀬ちゃんなら、きっと私のことを助けてくれる。
でも、1学年の差は大きい。
放課後の時間の使い方なんて、1年生と2年生では大きな差がある。
「よしっ!」
意気込みを声に込めて、立ち上がろうと思ったとき。
背後に人の気配を感じた。
このパソコンルームは、私が独占していい部屋ではない。
空いている席を探している人が、自分の後ろを通りかかることは頻繁に起こる。でも、背後にある人の気配は消えずに居残っている。
まるで私が、この席を離れるのを待っているかのような空気を感じる。
(……後ろを振り向けば、誰かがいるってことだよね……)
ある意味、ホラー的展開。
背後にある気配は、自分にしか感じられないものだったらどうしよう。
もしかすると、背後には誰もいないなんて展開もあるかもしれない。
私にしか感じられなくて、周囲の人たちには感じられないものもあるかもしれな……。
「あの……」
「はいっ!」
とんでもなく大きな声で返事をしてしまった。
パソコンルームでは、私語が禁止されていない。
複数集まって大騒ぎしてもなんの問題もないのだけど、馬鹿騒ぎしている養成所生は滅多に見かけない。
パソコンルームってものは、基本的に静寂が漂っている。
だからこそ、自分の声は悪目立ちした。
「すみませんでした!」
多くの視線を集めてしまったため、周りの人たちに頭を下げて謝罪をする。
大抵の人たちは、大丈夫ですよって気持ちを込めて笑みを返してくれる。
でも、私が申し訳ございませんという気持ちを伝えたところで、特に反応を返してくれない人もいた。
赤の他人の関心すら寄せることができないんだって分かって……少しだけ落ち込む。ただでさえ気持ちが落ちていたのに、もっと気持ちが下落していく。
「……あの」
自分の後ろに、誰が立っていたか。
本来は、そっちに気を配るべきだったかもしれない。
「あ、はい、すみません! 何か用……」
でも、私の関心は自分にしか向いていなかった。
「手伝いましょうか」
だから、自分に声をかけてくれた人がいたことも忘れていた。
大きな声を出す原因になったのは、その人の存在があったから。
でも、肝心の、その人がいたってことを私は忘れてしまっていた。
「七瀬ちゃ……」
また、大声出しそうになってしまった。
まったく反省していない自分にもがっかりしたし、目の前にいる彼女から大きな声を出さないよう注意を受ける。
人差し指を口元に持っていって、静かにと合図を送ってくれた彼女に再び謝罪。
相咲高校に完備された施設の1つであるパソコンルーム。
誰でも利用できる上に、使用時間に制限もない。
予約できないところが唯一の欠点かもしれないけど、席が空いていないなら空いていないで諦める人たちがほとんど。
「…………んー……」
インターネットに接続できる何かしらの携帯端末を持っていれば生きていくことができることもあって、パソコンルームの必須性はそんなにないかもしれない。
でも、必要な人には必要なツールだと思う。
このパソコンというものは。
「壊れた?」
幼い頃から夢見続けてきた、七瀬ちゃんとの再会。
そして、相咲高校最後の『おもてなし』制度の始まり。
いろんな出来事が一気に重なりあって、心臓の高鳴りが私の感情を揺さぶってくる。
(エラーで送信できないっていうけど、何が原因でエラーが起きているのかを知りたいのに……)
溜め息。
さっきから、溜め息が止まらない。
「…………」
私のおもてなしを担当してくれている七瀬ちゃんなら、きっと私のことを助けてくれる。
でも、1学年の差は大きい。
放課後の時間の使い方なんて、1年生と2年生では大きな差がある。
「よしっ!」
意気込みを声に込めて、立ち上がろうと思ったとき。
背後に人の気配を感じた。
このパソコンルームは、私が独占していい部屋ではない。
空いている席を探している人が、自分の後ろを通りかかることは頻繁に起こる。でも、背後にある人の気配は消えずに居残っている。
まるで私が、この席を離れるのを待っているかのような空気を感じる。
(……後ろを振り向けば、誰かがいるってことだよね……)
ある意味、ホラー的展開。
背後にある気配は、自分にしか感じられないものだったらどうしよう。
もしかすると、背後には誰もいないなんて展開もあるかもしれない。
私にしか感じられなくて、周囲の人たちには感じられないものもあるかもしれな……。
「あの……」
「はいっ!」
とんでもなく大きな声で返事をしてしまった。
パソコンルームでは、私語が禁止されていない。
複数集まって大騒ぎしてもなんの問題もないのだけど、馬鹿騒ぎしている養成所生は滅多に見かけない。
パソコンルームってものは、基本的に静寂が漂っている。
だからこそ、自分の声は悪目立ちした。
「すみませんでした!」
多くの視線を集めてしまったため、周りの人たちに頭を下げて謝罪をする。
大抵の人たちは、大丈夫ですよって気持ちを込めて笑みを返してくれる。
でも、私が申し訳ございませんという気持ちを伝えたところで、特に反応を返してくれない人もいた。
赤の他人の関心すら寄せることができないんだって分かって……少しだけ落ち込む。ただでさえ気持ちが落ちていたのに、もっと気持ちが下落していく。
「……あの」
自分の後ろに、誰が立っていたか。
本来は、そっちに気を配るべきだったかもしれない。
「あ、はい、すみません! 何か用……」
でも、私の関心は自分にしか向いていなかった。
「手伝いましょうか」
だから、自分に声をかけてくれた人がいたことも忘れていた。
大きな声を出す原因になったのは、その人の存在があったから。
でも、肝心の、その人がいたってことを私は忘れてしまっていた。
「七瀬ちゃ……」
また、大声出しそうになってしまった。
まったく反省していない自分にもがっかりしたし、目の前にいる彼女から大きな声を出さないよう注意を受ける。
人差し指を口元に持っていって、静かにと合図を送ってくれた彼女に再び謝罪。