沙耶(さや)。相談したいことがあるんだけど」
「何? 改まっちゃって」

 二学期の終業式を明後日に控えた真冬の朝。教室に登校するなり、同級生の朝比奈(あさひな)絵麻(えま)が私の席へと駆け寄ってきた。絵麻とは中学生の頃からの付き合いで、流行に敏感なオシャレさんだ。ブラウスとブレザーの間には臙脂色(えんじいろ)のニットカーディガンで差し色を加えて、ヘアアクセサリーやネックレスなどの小物類にもこだわっている。

「最近、私のSNSがちょっと変なことになってて」

 そう言って絵麻は、スマホの画面に自身のSNSのアカウントを表示した。絵麻がSNSを始めたのは確か去年、高校に入学した直後ぐらいだったかな。何度か誘われたけど、私は結局SNSをやらなかったから、SNS上での絵麻の動向は把握していない。厄介な相手に絡まれたりしてしまったのだろうか? 

縄綯(なわない)なな()?」

 昨日の夕方の絵麻の投稿に、縄綯なな子というアカウントから反応が届いている。珍しい苗字だから初見では読めなかったけど、IDが「@nanako nawanai」になっていたので、そう読むと分かった。『もうすぐ冬休み! 今年は彼氏と初詣にいくぞー』という絵麻の投稿に対して、縄綯なな子は『あなたのそういうところが嫌いです』と辛辣な一言を投げかけている。絵麻の呟きを遡ってみると、どうやら先週から縄綯なな子が絵麻をフォローし始め、新しい投稿をする度に、決まって三十分以内には何かしら反応が届く。絵麻が数日前に買ったデート服について投稿した際には『自己顕示欲』、恋人について投稿した際には「承認欲求」等。とにかく当たりが強い。

「これって、絵麻のアンチ?」
「そういうことだと思う。平和に楽しんでるつもりだったし、自分にアンチがつくなんて思ってもみなかったよ」
「あまりSNSについては詳しくないけど、こういうのってブロックしちゃえばいいんじゃないの?」
圭樹(けいじゅ)にも相談して、昨日の夜にブロックしたんだけど……」

 絵麻はスマホを操作して別の画面を私に見せてきた。

「縄綯なな子。どうして……」

 背筋が凍えるのを感じた。絵麻が見せたのは私も使っている有名なメッセージアプリの画面。そこには今朝送られてきた、縄綯なな子からの「ブロックするなんて酷いじゃない」とのメッセージが残されている。
 友達同士で楽しんでいたとはいえ、ネット上に公開されているSNSならば、偶然第三者の目に止まることもあるだろう。だけど、プライベートな連絡手段であるメッセージアプリに連絡してくるというのは普通に考えてありえない。縄綯なな子はどうやって絵麻の連絡先を知り得たのだろう。

「圭樹が色々と調べてくれてるけど、やっぱり不安で。沙耶にも相談しておこうかなと思って」

 こんな時になんだけど、絵麻が私を頼ってくれたことは嬉しかった。恋人である圭樹くんだけではなく、同性の友達を頼りたくなる心境は理解出来る。

「縄綯なな子について、鳴子(なるこ)くんは何て?」
「圭樹は身近な誰かが、縄綯なな子を(かた)ってるんじゃないかって考えているみたい」
「確かにその方が色々と説明はつくね」

 偶然、絵麻のSNSに目をつけたアンチが、プライベートなメッセージアプリの連絡先までも入手したと考えるよりも、始めから絵麻に身近な人物の仕業だと考えれば、SNS、メッセージアプリの双方を把握していてもおかしくはない。
 危険な第三者が絵麻を特定しているよりはマシだけど、連絡先を知っている近しい人間が、悪意を持って絵麻にメッセージを送っているとすれば、決して穏やかな話ではない。それは親しい誰かを疑わなければいけないということだ。そんな中で私に相談してくれたことの意味は大きい。信頼には全力で応えてあげたい。

「もうすぐホームルームだし、昼休みに入ったら圭樹も交えて三人で話そう。何か新しい情報が入っているかもしれない」
「そうだね」

 噂をすれば、担任の八尾(やお)亜里砂(ありさ)先生が教室にやってきた。ホームルームのチャイムまではまだ少し時間があるけど、先生が早めに教室に来た気持ちは分かる。あと二日でこのクラスともお別れなので、一日一日を大切にしているのだろう。

「亜里砂ちゃんとお別れなんて寂しいな」
「アメリカでも元気でね」
「みんなにも迷惑かけちゃってごめんね。本当なら三月まで残りたかったけど」

 数名の女子生徒が教卓の亜里沙先生を囲んでいる。亜里砂先生は現在二十九歳。明るく親しみやすいキャラクターで生徒たちからも大人気だったけど、新学期からは私達のクラスは受け持つことはない。亜里砂先生は既婚者で、先月旦那さんに会社から辞令が出て、春から海外赴任が決まっているそうだ。亜里砂先生自身は、可能なら年度末の三月まで担任を続けたかったみたいだけど、海外赴任の時期や準備にかかる時間を考えるとそれは難しく、学校側とも調整した結果、半端な時期よりも、三学期に入るタイミングで担任を引き継いだ方が良いだろうと判断されたようだ。私も亜里砂先生のことは大好きだったし、名残惜しいけど、ご家庭の事情ならば仕方がない。

「みんな、ホームルームを始めるから席に戻りなさい」

 ホームルームを告げるチャイムが始まり、今日も学校での一日が始まった。


「絵麻、ちょっといいか?」

 昼休みに入ると、絵麻の恋人である鳴子(なるこ)圭樹(けいじゅ)くんが教室に絵麻を呼びにきた。絵麻と鳴子くんが付き合っているのはすでに周知の事実だけど、端正な顔立ちと爽やかな笑顔を併せ持った鳴子くんの訪問に、クラスの女の子たちが騒めき立っていた。
 鳴子くんは二つ隣の二年C組の生徒で、同じ中学出身なので私も彼のことはよく知っている。二人は中学の頃はそこまで交流はなかったけど、去年の文化祭シーズンに一緒に行動する機会が増えたことで急接近し、勢いそのままに交際に発展。高校生活の楽しみ方はもちろん人それぞれだけど、THE青春だなと、羨ましく思ったのはここだけの話だ。


石神(いしがみ)も一緒?」

 絵麻が私の手を引いてきたことに、鳴子くんは少し驚いている様子だった。

「今朝相談した。沙耶も協力してくれるって」
「二人は親友だものな。俺も石神の意見を聞きたかったし丁度良かったよ」

 正直なところ、聡明な鳴子くんが縄綯なな子について調べているなら、私の出る幕はないのではと思っていた。鳴子くんに頼られて、悪い気はしないけども。

「あまり人前でするような話じゃないから、場所を変えよう」

 鳴子くんがそう言ったので、彼に続いて私と絵麻も教室から移動する。
 私たちは話し合いの場を、人気の少ない校舎裏のベンチに移した。ベンチに肩を並べて腰掛ける私と絵麻に、鳴子くんは神妙な面持ちで語り出す。

「縄綯なな子の正体を確かめようと情報を集める中で、思わぬ事実が判明したよ。縄綯なな子という名前の生徒が、十年前にうちの高校に在籍していたらしい」
「縄綯なな子は実在の人物ということ?」

 私はすかさず聞き返した。アンチという行為に加えて珍しい名前だったこともあり、てっきりネット上での架空の名前だと思っていたけど、実名だったというのは流石に予想外だ。

「……厳密に言うと、もういないらしい」
「それってもしかして?」

 歯切れの悪い言い方と、現実を受け止めきれぬかのように眉間に寄った皺。嫌な予感しかしない。

「縄綯なな子は十年前に亡くなっている」
「ちょ、ちょっと待ってよ! 幽霊が私に嫌がらせをしてるってこと?」

 沈黙を恐れるように、絵麻が感情的にまくし立てた。ただでさえ不気味な状況なのに、その相手がすでに亡くなっているなんて、絵麻じゃなくてもパニックになるのは当然だ。

「落ち着いて絵麻。幽霊がSNSに書き込んだり、メッセージを送ってくるなんてありえないよ」
「だけど、圭樹は縄綯なな子はもう亡くなってるって」
「縄綯なな子が亡くなっている、イコール、幽霊の仕業ということにはならないよ。そうだよね? 鳴子くん」

 絵麻を落ち着かせるために優しく肩を抱きながら、鳴子くんに同意を求めると、鳴子くんは少し考えてから頷いてくれた。

「幽霊の関与を疑うよりは、誰かが故人である縄綯なな子の名を(かた)り、恐怖を演出していると考えた方が現実的だろうね。身近な誰かの仕業であることとも矛盾しない。むしろ可能性はより高まったと言える」
「十年前に亡くなった生徒の名を騙るということはやっぱり、学校の関係者の可能性が高いものね」

 こうして鳴子くんと意見を交わしていると、中学時代を思い出す。一緒にミステリー小説の考察を深めていたあの頃が懐かしい。

「俺は引き続き、縄綯なな子について調査を進める。これでも人脈の広さには自信がある。先輩伝いで十年前のことも調べてみるよ」
「ありがとう圭樹。大好き!」

 縄綯なな子が幽霊でないと分かってホッとしたのかな。絵麻は恋人の鳴子くんが自分のために奔走してくれているという状況に酔うぐらいには、余裕を取り戻しつつあった。もしもーし。この場には私もいるんですよ。

「私も自分なりに色々と調べてみるね。絵麻もまた何かあったら直ぐに私にも教えて」
「ありがとう沙耶。頼りにしてるよ」
「うん。気分よく冬休みを迎えようね」

 私たち三人が力を合わせたら、縄綯なな子の問題なんてきっと、綺麗さっぱり解決する。この時の私は、そう信じて疑わなかった。


 放課後。私は文芸部の部室で原稿用紙と(にら)み合っていた。絵麻は放課後は家の用事、鳴子くんは縄綯なな子の情報収集のために、すでに下校している。
 私が所属する文芸部では、今年度の活動の集大成として二月は文集を発行する予定で、現在部員たちは各々、文集に収録する作品の執筆活動に励んでいる。学期末の今の時期は、部室は解放されているけど参加は任意だ。私は家よりも部室の方が執筆が捗るので、頻繁に部室を利用していた。普段は他にも数人の部員が利用しているのだけど、今日はみんな用事があるのか、部室は私が独占している。執筆用の原稿用紙を机に広げてみたけど、今日は筆の乗りはいまいちだ。頭の中はどうしても、絵麻と縄綯なな子のことでいっぱいだった。今のままでは作業が手につきそうにない。

「あら、今日は石神さんだけですか?」
「そうみたいです。部室を独り占めするのも悪い気はしないですが」

 しばらく一人で部室で過ごしていると、文芸部顧問の富士松(ふじまつ)雅美(まさみ)先生がやってきて、私の隣の椅子に腰かけた。穏やかな雰囲気のベテラン教師で、いつも優しく生徒のことを見守ってくれている。

「富士松先生。一つお聞きしたいんですけど、縄綯なな子という生徒さんをご存じですか? 十年前に在籍していたそうなんですが」

 詳細を伏せながら、思い切って富士松先生に尋ねてみることにした。富士松先生は勤続二十五年で、誰よりもこの学校のことを知っている。縄綯なな子について何か分かるかもしれない。

「ナワナイナナコさん? 名前的に女子生徒よね」

 富士松先生が目を閉じて長考する。十年前の事とはいえ、亡くなった生徒の名前は強く印象に残っていそうなものだ。直ぐに名前が出てこないのは意外だった。

「思い出した。ナワナイナナコさんよね。確かに十年前に在籍していたわ」

 当時を知る富士松先生の言葉は、鳴子くんの時以上の破壊力を持っていた。縄綯なな子は本当に、十年前にこの学校にいたんだ。富士松先生は笑顔で当時を懐かしんでいるけど、相槌を打つ私は上手く笑えてるだろうか? 動揺を上手く処理出来ている自信がない。

「縄綯なな子さんは、どういった生徒さんだったんですか?」
「明るくて活発な生徒さんでしたよ。それにしても、どうして昔の生徒さんのことを?」
「ま、前にどこかで名前を見て、珍しい苗字だったので印象に残っていたんです」

 初見では読めない苗字だったから、咄嗟にそんな言い訳を口にすることが出来た。富士松先生は納得してくれた様子だけど、この話題をこれ以上掘り下げるのは難しい。ましてや亡くなったなんてデリケートな話題を切り出すなんて出来そうにない。

「そういえば先生、文集に収録する作品についてなんですけど」

 今は文芸部の活動に集中しよう。せっかく富士松先生と一対一なのだから、この機会に色々と相談してみることにした。



 私と鳴子くんが知り合ったのは中学一年生の頃。クラスは別々だっただけど、お互いに図書委員会に所属したのがきっかけだった。

「石神もその本好きなの?」

 一緒に昼休みに図書室の受付をしていた時のこと。初めて鳴子くんが、図書委員会の仕事以外の話題を振ってくれた。当時私が読んでいたのは、中高生向けのミステリー小説だった。

「うん。昔からミステリーものが好きで」
「奇遇だね。俺も昔からミステリーが好きでさ。そのシリーズも全部読んでるよ」

 友達はそれなりにいたけど、本好きの友達はいなくて、周りには本について語れる環境はなかった。中学で図書委員会に入ったのは、本好きが集まる場所だからという期待も大きかった。だからこそ、鳴子くんが私と同じでミステリーを愛読していることが凄く嬉しかった。

「今度石神のお勧めを教えてよ。人から勧められた本を読むのっていつもと違って新鮮じゃん」
「その時は鳴子くんのお勧めも教えて、私も読んでみたいから」

 同じミステリー好き同士。一度きっかけが出来れば、打ち解け合うまでにそれ程時間はかからなかった。図書委員会での活動はもちろん、連絡先を交換して、学校以外でもやり取りをする機会が増えた。お勧めや感想を言い合うだけでじゃなくて、時にはお互いに本格ミステリー小説を途中まで読み合い、トリックや犯人を考察するという、二人だけのミステリー研究会を開くこともあった。お互いにそれぞれの交友関係があったし、プライベートで遊んだりすることはなかったけど、お互いに読書を通して、確かな絆を感じていたと思う。そうして中学三年間を同じ図書委員会で過ごした。

 高校入学後は一緒に過ごす機会は減ったけど、それでも同じ中学の出身だったし、お互いに読書趣味も続いていたので、定期的に連絡のやり取りはしていた。私はそれで満足していたけど、文化祭の時期に思わぬ出来事が起きた。準備期間に急接近した絵麻と鳴子くんが付き合うことになったのだ。アプローチをかけたのは絵麻の方からだった。絵麻から最初にそのことを打ち明けられた時の感情は、今でも鮮明に覚えている。

 ――鳴子くんと最初に出会ったのは、私の方だったのに。

 笑顔で絵麻を祝福する私の中身は真っ黒だった。同時にその時初めて私は鳴子くんに対する感情を自覚した。私が鳴子くんに抱いていた感情はとっくに、友情の域を越えていたのだ。絵麻の存在が私と鳴子くんを繋ぎ、以前よりも鳴子くんと直接会話をする機会が増えた。なんて皮肉なことだろう。

『あなたもあの子が憎いんでしょう?』

 突然、私の思考に割り込むように、嘲笑するような甲高い笑い声が聞こえてきた。

「誰?」

 私が疑問を投げかけると同時に、突然目の前に、顔が真っ黒に塗り潰されたブレザー姿の少女が現れた。ブレザーは私の通っている高校と同じデザインをしている。

『私は、縄綯なな子』

 嬉しそうに声を弾ませると、縄綯なな子が私の右頬に手を伸ばしてきた。

 そこで私の意識は覚醒した。どうやら自室の机でスマホを操作をしている最中に寝落ちしてしまったようだ。時間を確認してみると深夜零時を回ったところ。三十分ぐらい眠っていたらしい。暖房の温かみとは別に、背中に変な汗をかいている。せっかくお風呂にも入ってきたのにな。

「気味の悪い夢」

 鳴子くんとの出会いを思い返す序盤だけならば良かったけど、途中からは鳴子くんと絵麻の関係に対する複雑な感情を思い出し、そこに縄綯なな子まで登場するなんて混沌を極めている。私にとってあれは、間違いなく悪夢だった。まるで縄綯なな子の恐怖が絵麻を通して私にまで浸透してきているかのようだ。

 変な夢を見てしまった理由は分かっている。直前までスマホで、絵麻のSNSの過去の投稿を調べていた影響だろう。
 私自身が普段SNSをやらないものだから、絵麻の証言を元に、絵麻の立場になって今回の出来事と向き合っていたけど、客観的に絵麻のSNSを調べていくと、思わぬ事実が分かってきた。縄綯なな子は絵麻の投稿の全てに反応しているわけではない。例えば一昨日にドラマの感想を投稿した時などは、縄綯なな子は無反応だ。最初は単にタイミングが合わなかっただけかもと思ったけど、過去の投稿を遡り、縄綯なな子が反応する投稿とそうでない投稿とを仕分けていくと、一つのパターンが見えてきた。

 直近の絵麻の投稿は『もうすぐ冬休み! 今年は彼氏と初詣にいくぞー』という文章に、デート服の写真が添えられているが、よく見ると写真の端には、ハンガーに掛けられた制服が少し見切れている。よくあるブレザータイプの制服ではあるが、見る人が見ればどこの学校の物か分かるかもしれない。それに対して縄綯なな子は『あなたのそういうところが嫌いです』とコメントしている。

 それ以外だと、デート服を買った当日に写真を投稿した時には、お買い得だったことを証明するためにレシートも一緒に写っている。幸い店舗名までは写っていないが、絵麻がしっかりと自分で隠したというよりも、偶然映らなかったといった方が正確だ。それに対して縄綯なな子は『自己顕示欲』と反応している。

 さらに遡ると、恋人である鳴子くんとの惚気話が投稿されていて、流石に実名は伏せているものの、鳴子くんの特徴をよく捉えた表現と共に、自慢の彼氏をひけらかすような高慢さが見え隠れしている。それに対して縄綯なな子は「承認欲求」と一刀両断している。

 私が見出した一つのパターン。絵麻の投稿の中でも、個人情報の漏洩に繋がりかねない内容の時にだけ縄綯なな子は姿を現す。彼女が初登場した投稿まで遡ってみたけど、私のこの仮説とは矛盾しない。それに気づいたことで、私の中で縄綯なな子に対する認識が少しずつ変わってきた。

 縄綯なな子の存在は不気味だし、鋭利な言葉の数々はアンチとみなされても仕方がないだろう。一方で言葉足らずなことを除けば、それはネットリテラシーに欠ける絵麻に対する忠告のようにも見えてくる。縄綯の目的は本当に、絵麻に対する嫌がらせなのだろうか? 

 友達が困っている時に不謹慎かもしれないけど、ミステリー好きとして、縄綯なな子の秘密を解き明かしたいという感情が芽生えつつあった。二学期はあと、今日と明日の二日間だけ。モヤモヤした気持ちのまま冬休みには入るのは嫌だから、何とか二日間でこの問題を解決出来たらいいな