「桜庭さんと光汰って、本当に付き合ってたんだね」
宇佐美君も私と同じような感想を抱いたようで、隣に座る水野君に言った。
「宇佐美君もそう思ったの?」
それを私が反応してしまって、宇佐美君は一瞬戸惑いを見せた。
「うん。入学して二週間くらい経った日から、ほぼ毎日のように光汰の口から桜庭さんのこと聞いてたから」
「でも、友達申請したのは二週間前」
付け足すように、水野君が言った。
今から二週間前ということは、本当に最近知り合ったということなのか。
だとしたら、知り合って付き合うまでかなり早かったことになる。
また今度、るんちゃんに馴れ初めを聞く必要がありそうだ。
「光汰、ずっと緊張してできないって言ってたよね」
宇佐美君は過去の向坂君を思い出して笑う。
「春希も似たようなものだけどな」
水野君の鋭い一言で、笑顔が固まった。
そのやり取りが微笑ましくて、私はつい笑ってしまった。
◇
「海だー!」
到着してすぐ、るんちゃんが叫んだ。
そして、靴と靴下を脱ぐと、波打ち際に立って、水で遊び始める。
提案者というだけあって、楽しそうだ。
私は、るんちゃんが砂浜に置いた荷物のそばに立ち、るんちゃんと向坂君を眺める。
これは一体、なんの時間だろう。
「帰っていいか?」
水野君は遠慮なく言った。
「まあまあ、せっかく来たんだし」
宇佐美君がなだめたところで、つまらなそうな顔は消えない。
私は気持ちがわかるから、なにも言えないけど、でも、遊んでいる二人を見ていると、つい写真を撮りたくなった。
スマホを向け、一枚、また一枚と撮る。
見返すと、満面の笑みのるんちゃんが収まっている。
るんちゃんにとっていい思い出になりそうな予感がして、何枚も撮り、それをるんちゃんのスマホに送り付けた。
「ゆっこも遊ぼうよ」
るんちゃんは素足に砂を付けながら戻ってきた。
「私はいいかな」
遠慮すると、るんちゃんは不満をこぼしながら、カバンの中にあるタオルで足の砂を落としていく。
そして、スマホに写真が届いていることに気付いたようだ。
「みんな、そこに横一列に並んで」
るんちゃんは弾む声で言い、自分の前を指さした。
私たちはよくわからないまま、るんちゃんに言われた通りに並ぶ。
「海のほう向いて、うん、いい感じ」
背後でシャッターの音がする。
宇佐美君も私と同じような感想を抱いたようで、隣に座る水野君に言った。
「宇佐美君もそう思ったの?」
それを私が反応してしまって、宇佐美君は一瞬戸惑いを見せた。
「うん。入学して二週間くらい経った日から、ほぼ毎日のように光汰の口から桜庭さんのこと聞いてたから」
「でも、友達申請したのは二週間前」
付け足すように、水野君が言った。
今から二週間前ということは、本当に最近知り合ったということなのか。
だとしたら、知り合って付き合うまでかなり早かったことになる。
また今度、るんちゃんに馴れ初めを聞く必要がありそうだ。
「光汰、ずっと緊張してできないって言ってたよね」
宇佐美君は過去の向坂君を思い出して笑う。
「春希も似たようなものだけどな」
水野君の鋭い一言で、笑顔が固まった。
そのやり取りが微笑ましくて、私はつい笑ってしまった。
◇
「海だー!」
到着してすぐ、るんちゃんが叫んだ。
そして、靴と靴下を脱ぐと、波打ち際に立って、水で遊び始める。
提案者というだけあって、楽しそうだ。
私は、るんちゃんが砂浜に置いた荷物のそばに立ち、るんちゃんと向坂君を眺める。
これは一体、なんの時間だろう。
「帰っていいか?」
水野君は遠慮なく言った。
「まあまあ、せっかく来たんだし」
宇佐美君がなだめたところで、つまらなそうな顔は消えない。
私は気持ちがわかるから、なにも言えないけど、でも、遊んでいる二人を見ていると、つい写真を撮りたくなった。
スマホを向け、一枚、また一枚と撮る。
見返すと、満面の笑みのるんちゃんが収まっている。
るんちゃんにとっていい思い出になりそうな予感がして、何枚も撮り、それをるんちゃんのスマホに送り付けた。
「ゆっこも遊ぼうよ」
るんちゃんは素足に砂を付けながら戻ってきた。
「私はいいかな」
遠慮すると、るんちゃんは不満をこぼしながら、カバンの中にあるタオルで足の砂を落としていく。
そして、スマホに写真が届いていることに気付いたようだ。
「みんな、そこに横一列に並んで」
るんちゃんは弾む声で言い、自分の前を指さした。
私たちはよくわからないまま、るんちゃんに言われた通りに並ぶ。
「海のほう向いて、うん、いい感じ」
背後でシャッターの音がする。