「それと……僕が気づかないと思ってる?君からの志築へのメッセージ。ここには来ないでと伝えたいのかな?健気だね」
再び、私の頬に触れると耳元へと掌をするりと移動させる。
「ピアスの石を媒介にか…霊力は礼衣よりも、優秀だね。志築が側に置く筈だな……」
「志築っ!ここに来ちゃだめ!絶対来ないで!」
真遥は、そのまま私の耳元からピアスを引きちぎった。
「あぁぁっ!」
ーーーー瞬く間に頬は鮮血に染まる。
(冴衣!冴衣!冴衣っ!!)
私と真遥の間に、私の名を呼ぶ志築の声だけが、虚しく響き渡る。
「……見てるんだろ?志築。お前の大事なお姫様は優秀だな。リアルタイムでビジョンを送るなんて…… 少し甘くみてたよ。こんな真似が出来ないようもう少し傷を付けておくべきだったね。……僕の弟だったお前。……ここまでこれるかな。」
ーーーー真遥が、パキンとピアスを割ると同時に、私の霊力は断絶され、志築と繋がっていたビジョンは跡形もなく消え失せた。