「先程申し上げた通り、僕は、志築様の願いは叶えて差し上げたい。……どんな手を使っても」

「……成程ね。ある程度は乗ってやるよ、お前の志築への忠誠心を俺は買ってる。ただし、ある程度だ」

「……承知致しました」

僕は、軽く会釈をすると康介に背を向ける。
僕は、僕にできる事をただ、やるだけだ。

「融、誰も死なせるな。志築は……そんなこと望んでない」

僕は、振り返らない。振り返る事など今更できない。


「俺も本数増えるねぇ」 


背後から、自嘲気味に笑う康介の声が、僅かに聞こえた。