「志築わかった。ただ……殺しは俺と融がやる。お前は無しだ。」
「は?お前は、誰に言ってんの?」
「お前に言ってる。マジでな」
俺は、お前には殺らせない。志築から殺気にも似た霊力が、滲み出るのが分かった。
「康介!てめぇ、ふざけんなよ!」
「何度でも言うよ、お前は殺しは無しだ。お前には無理だ。壊れる!」
「は?何だよそれ!俺に命令すんじゃねぇよ!」
ーーーー志築の目の色が、変わるのがわかった。
意図せず跳ねた、志築の霊力でガシャンとコーヒーカップが割れ、俺は、スーツのシャツをネクタイごと締め上げられる。
(くそっ……お前が、こうなんのなんて想定内なんだよ!)
左掌で、志築の手を抑え込む。
「……手離せよ!らしくねーな。真遥のことになると、お前は冷静な判断ができなくなるんだよっ!」
パンッと弾くようにして、俺は、志築の腕を跳ね除ける。
「お前っ!」
志築の握りしめた右拳から、雷鳴が轟く。
こちら目掛けた志築の右拳を、俺は、霊力で包み込むようにして左掌で受け止めた。