俺は、案の定、騒ぎ出した融を見ながら、ため息を吐き出した。

「……言うな、融。てゆーか、見んな。…どいつもこいつも。」 

うんざりとした顔で、俺は、左頬を隠すように頬杖をつく。

「いけません志築様、病院には行きましたか?お顔に傷でも残っては…僕は本家に顔向けできません!せめて、そのような絆創膏ではなく、きちんと消毒して包帯で傷を保護しなけば」 

(出た、包帯……。どー見ても擦り傷だろうが。)

救急箱は、どこかと、探しに行かんばかりの融の腕をぐいとひっぱり、座らせなおす。

他役員達が、チラチラと俺達の動向を伺っているのがわかる。  

「融……冴衣に貼ってもらったから大丈夫。三日もあれば治るよ。……てゆーかさ、なんでオマエが本家顔向けできなくなるんだよ、オマエは十分やってるからさ、マジで何も気にしなくていい訳。そもそも俺が、ちょっとした不手際で作ってきた傷でしょ。それも擦り傷、ほんと大丈夫だからさ。さ、会議始めるよ」