私が、会議室の扉を開けたときには、既に分家も役員達も全員が、揃って着席していた。
数秒遅れて入ってきた志築と康介に、役員達の視線が一気に集まる。

一瞬、ざわっとしたのは、志築の頬の傷だろうか。 

「皆さんお待たせしましたー」

いつもの口調で、当たり前のように上座に三席置かれた椅子の真ん中に志築が腰掛ける。

私は、上座向かって左側の前から一番目、霊印家のプレートを見て着席していた。

志築の右側には、今回の関東連合会議(かんとうれんごうかいぎ)議長代理として康介が着席した。