するりと、志築に負けず劣らずの長身と端正な顔の男が、エレベーターの箱の中へ入ってきた。
紺ストライプの細身のスーツに黒のロングコート姿だ。髪は短髪で赤茶。長めの前髪に、後ろは綺麗に刈り上げられている。
その風貌を、一際際立たせているのは、椿の花びらに、ダイヤモンドを折り混ぜたような美しく魅惑的な赤色の瞳だ。
「久しぶりだね、志築」
決して、広くはないエレベーターだが、志築の頬と、自身の鼻先が、くっ付きそうな位に距離をつめると、志築の右肩に、自身の左掌を乗せながら悠長に挨拶をした。
その口調は、穏やかで、見た目よりは、随分と柔らかい印象を与えていた。
「……お前かよ、康介」
やや間があって、面倒臭そうに志築が愛想なく返事をした。
紺ストライプの細身のスーツに黒のロングコート姿だ。髪は短髪で赤茶。長めの前髪に、後ろは綺麗に刈り上げられている。
その風貌を、一際際立たせているのは、椿の花びらに、ダイヤモンドを折り混ぜたような美しく魅惑的な赤色の瞳だ。
「久しぶりだね、志築」
決して、広くはないエレベーターだが、志築の頬と、自身の鼻先が、くっ付きそうな位に距離をつめると、志築の右肩に、自身の左掌を乗せながら悠長に挨拶をした。
その口調は、穏やかで、見た目よりは、随分と柔らかい印象を与えていた。
「……お前かよ、康介」
やや間があって、面倒臭そうに志築が愛想なく返事をした。