掴んでいた志築の首元から手を緩めて、志築の顔から距離をとろうとした時、ほぼ同時にグイッと志築の大きな左掌が、私の後頭部を包み込んだ。
ーーーーえっ?
思いもよらない志築の行動に思わず、考えるより先に心臓がドクンと跳ねた。
薄茶の瞳の中に、私が映るのが見える。
さっきよりも志築の顔が近くなって、お互いの呼吸音もわかるほどの距離に、頭の中の思考回路が一瞬停止する。
志築に聞こえてしまうんじゃないかと思うくらいに、心臓が、跳ねて速度を上げる。
「……ちょっ、何?」
何とか言葉を発したが突然のこの状況対処としては酷く心許ない。顔が熱くなってくる。
「……別にー」
私の顔をしげしげと見つめた後、志築はあっさりと大きな手を引っ込めた。
温もりすら感じる距離から、志築が離れたとき、ほんの少し志築の匂いがした。
ーーーーえっ?
思いもよらない志築の行動に思わず、考えるより先に心臓がドクンと跳ねた。
薄茶の瞳の中に、私が映るのが見える。
さっきよりも志築の顔が近くなって、お互いの呼吸音もわかるほどの距離に、頭の中の思考回路が一瞬停止する。
志築に聞こえてしまうんじゃないかと思うくらいに、心臓が、跳ねて速度を上げる。
「……ちょっ、何?」
何とか言葉を発したが突然のこの状況対処としては酷く心許ない。顔が熱くなってくる。
「……別にー」
私の顔をしげしげと見つめた後、志築はあっさりと大きな手を引っ込めた。
温もりすら感じる距離から、志築が離れたとき、ほんの少し志築の匂いがした。