影を狩る方法は、二つ。

一つは外部からの攻撃によって影本体の心臓を突き刺し狩る。

もう一つは影本体に言霊符(ことだまふ)を用いて狩るか。

前者は、俺のような影狩師が使う手法であり、後者は、冴衣のような防御力に長けた封印師が用いる手法だ。

「志築っ!」 

俺を庇うように刃物と化した女の髪の毛に冴衣が、次々と霊力で言霊符をとばして貼り付けていく。言霊符の張り付いた場所から、じわじわと熱が発生し、焼き切れていく。女の顔がみるみる怒りを満ちていく。 
 

「おまえぇ、封印師かぁ!!」

 女が冴衣の方に振り向き、その矛先が向けられた一瞬に姿勢を低く屈め、そのまま右掌の銀河を女の足下から心臓めがけて打ち込む。

ギィギャーーーーー!!!

女の叫び声と共にグンッと反発がくる。

(ちっ、影の質量が多いのかっ) 

まるでゴムに刀を突き刺している感覚だ。気を緩めればあっという間に弾き返される。  

弾かれそうになる銀河を無理矢理、左掌で押さえつける。そのまま思い切り霊力を発動させる。

「銀河 雷光(らいこう)

金銀の色を纏う稲光が、俺の指先から放たれ、霊刀の先に到達したと同時に、内から破裂する様に細かい光が塵となって散乱していく。