真遥との戦いから、一ヶ月半ほど経った頃、俺達は、志築の命令で、御津宮本家に集められていた。

「おい、何か俺に言うことあんだろ!てめーら纏めてな!」

上座で黒革のソファーに長い脚を組みながら、志築が、首を傾げながら、俺達を順番に指差した。

「年功序列で康介からシメてもいーんだからな」

「何で俺な訳?しーちゃん帰っていい?」  

「《《黙れ》》!」

志築が、しまった!と言う顔をした。


「仰せのままに」

ニヤついた俺に、志築が舌打ちした。

綺麗に志築の前に整列させられた俺達は、互いの顔を見ながら沈黙を守る。

「何とか言えっ。全部分かってんだからな!」

「志築、始末書書くんだから、もういいじゃん」

口を尖らせて、一番初めに口を開いたのは、冴衣ちゃんだ。

「冴衣、お前な。……てゆーか誰に連れて行かれたんだよ、犯人こん中だろーが」

「私が、勝手に屋敷をでたの」

「んな訳ないだろ、あんな、」

「志築しつこいっ」

冴衣ちゃんの機嫌が、少し悪くなるのを見て、志築が押し黙った。