「志築の負担になりたくない」
「言うと思った」
こういうトコだよな、礼衣と全然違うトコ。
勝ち気で、俺を頼ったり、甘えたりしない。
「なぁ、いっそ嫁に来れば?」
冴衣が、大きな黒眼を見開くと、キョトンとした。
「え?」
「だからー。俺に守って貰いたくないなら、俺ん家入ってもらうしかないじゃん」
「な、何言って……何で、そうなるのっ……適当なことばっかり言わないでっ」
冴衣が、眉を顰めて口を尖らせた。
「じゃあ、もうちょい俺の言うこと聞けよ。怪我も命令違反もすんな!心配させんな!勝手にどっか行くな!」
俺は、冴衣のおでこをツンと弾いた。