ーーーーそう、あの時、俺の命は、冴衣にやって、礼衣のとこに逝こうと思った。
でも最期に思い出したのは、礼衣の笑顔じゃなくて……冴衣の泣いてる顔だった。
だから俺は……。
「……え?……な……に?」
「…だからさ、俺の命、寿命を半分だけ、お前にやったの。……だから、俺も冴衣も死なねーのっ」
思いもよらなかったのか、冴衣の涙がぴたりと止まった。
「……半分……?」
「そ、半分こ。だから俺の寿命が、仮に八十としてだな、俺二十三だから、お互い五十位までしか生きられねーけどな。……けど、さすが俺だよなー、咄嗟に術の応用できんだからさ。」
俺は、得意げに唇を持ち上げた。
「志築……どうして?……そんなこと……半分、くれたの?」