(真遥……?どこだ……?)
ーーーー身体に力がはいらない。夢を見てるのか?それとも俺は、死んだのか?
思考は、ふわふわと無重力を漂うように曖昧で、痛みも苦しみも何も感じない。
定まらない意識の中、いままでの俺と真遥のこと、忘れていた遠い昔の記憶を思い出していた。
幼い頃の真遥は、大人しく柔和で人懐こい性格で、全てが俺より優秀だった。五歳になる頃には霊力を使いこなし神童だと謳われた。さすがは長子、次期当主だと皆、真遥を持て囃した。
小さかった頃の俺は、いつも真遥の後をついてまわってた。家の無駄に広すぎる裏庭でよく二人で暗くなるまで遊んでた。
「まってよー。まはるー!そんなたかいところのぼれないよ、おれ……」
「しづ、ちょっとまってて、ぼくがしづにせみ、とってきてあげるからね」
真遥は、自分より遥かに高い、樹齢千年を超える杉の木にも何なく登っていく。
俺は、真遥の後を見よう見まねで、なんとか這いつくばるようにして登るが、うまくいかない。
ーーーー身体に力がはいらない。夢を見てるのか?それとも俺は、死んだのか?
思考は、ふわふわと無重力を漂うように曖昧で、痛みも苦しみも何も感じない。
定まらない意識の中、いままでの俺と真遥のこと、忘れていた遠い昔の記憶を思い出していた。
幼い頃の真遥は、大人しく柔和で人懐こい性格で、全てが俺より優秀だった。五歳になる頃には霊力を使いこなし神童だと謳われた。さすがは長子、次期当主だと皆、真遥を持て囃した。
小さかった頃の俺は、いつも真遥の後をついてまわってた。家の無駄に広すぎる裏庭でよく二人で暗くなるまで遊んでた。
「まってよー。まはるー!そんなたかいところのぼれないよ、おれ……」
「しづ、ちょっとまってて、ぼくがしづにせみ、とってきてあげるからね」
真遥は、自分より遥かに高い、樹齢千年を超える杉の木にも何なく登っていく。
俺は、真遥の後を見よう見まねで、なんとか這いつくばるようにして登るが、うまくいかない。