「志築!!志築!!」

「冴衣様、お下がりください!」

爆風と窓のガラスの破片から、私を守るように融が結界を張り、私を抱える。

辺りは爆風による煙と塵で何も見えない。

「離して!志築っ!」

「いけません、冴衣様っ」

「……このままじゃ、志築が、死んじゃう!」

私は、霊力で融の掌を弾くと、最後の力を振り絞って、走り出していた。

「冴衣様っ!」

志築だけは、必ず守ってみせる。

礼衣の代わりに。

そして自分自身の為にも。

私は、灰の舞い上がる煙の中へ真っ直ぐに駆けて行った。