ギィン!ギィンー!キンッ!


何度も角度を変えては刃が交わる。


「…ずっとお前が嫌いだったよ。何一つ汚れをしらない太陽のお前が」

「俺はっ、お前がわからない!」 

「甘えるな!」

「真遥!」

真遥の刃が、俺の頬を掠める。

「なんでっ!間違えた?何でも持ってただろ!必要とされてただろ!なんで堕ちた?!」 


ギンッと刃が重なり、力量を押し合う。


「……言っただろ、僕は忌まわしい子供として生を受けた。お前の為に生かされて、お前の代わりにに」 

「何、言ってんのかわかんねぇよっ!」 

「お前が、御津宮の長子だから」

「……意味が、わかんねぇな!」


そのまま振りかぶり姿勢を低く、右斜めへと膝をつき、真遥の頸を狙う。

「僕が志築。お前が、本当の真遥だった」

「?、何言ってる?」

「その言葉の意味そのままだよ」   

瞬時に真遥が、俺の間合いに斬り込むのが見えた。

「ちっ……」

ーーーー(速いっ……)
 

俺は、刀を受けながら、後ろに飛び退くが、左腕から血液が滴りおちた。

「はぁっ、はっ……はっ」
 
「無様だな……弱い」

「弱いのお前だろうが!弱さ故に、礼衣を殺して、お前は禁忌まで犯した!俺は……お前を許さない!!」

「ははは……負け犬の遠吠えだな。僕の弟だったオマエ。そろそろ終わりにしよう」