ーーーーバンッ!!

「真遥!」  

扉が開くのとほぼ同時に、聞き慣れた声が部屋に響いた。

流れ出た血液で段々と視野が狭くなる。呼吸も早くなってきた。 

(志……築)
 

「……思ったより早かったな」

ニタリと真遥が笑った。


「……おま、え……冴衣に……何した」

志築の声じゃないみたいだ。

志築が壊れてしまう、その前に、必ずやり遂げなければならない。

もう二度と、誰も泣かないように。