「ああぁぁ!……くっ……っ、はぁ……はっ」
 

「君の血液がもうすこし減ったら、融合の準備が整う。今回は君が拒否できないように気を失っててもらうよ、死なない程度にね」


ーーーーー違う。


礼衣は、融合を拒んだんじゃない。礼衣は失敗したんだ。……霊印に伝わる、あの術を使おうとして。

そして、もうこの人はヒトじゃない。恐らく禁忌を犯してる。自我が闇に飲み込まれてる。

この人が……志築がずっと……一人で抱え込んでたモノ。……大丈夫、私は失敗しない。礼衣の為にも、志築の為にも、……もう悲しい思いは充分だ。


私は、流れ出した血液に少しずつ霊力を込めていく。

真遥に気づかれないように少しずつ。


すぐ近くまで来ている、志築の気配に、鼓動が少しだけ早くなる。


ーーーー来ちゃダメって言ったのに。