(ーーーーったく)
冴衣とは、一緒に狩りに出るようになって、二年経つが、とにかく意地っ張りで、人に甘えるという事を知らない、厄介なお姫様だ。
さっきも普段、冴衣の怒った顔ばかり見てるから何気なく言っただけなのに、冴衣は、俺に揶揄われたと受け取ったみたいだ。
女心というヤツは、未だに全然わからない。
急に怒ったり、泣いたり、叩かれたり。最後のは、冴衣曰く、俺のだらし無さが原因らしいけど。
ほんと影の方が余程分かり易い。
「あそこだね」
俺は、柳の木から目を離すことなく、真っ直ぐに影へと向かう。遠目から見ても柳の木の陰からは、ユラユラとこの世のものではない何者かが息を潜めているのがわかる。
「十九だって。私と同い年。」
「へーっ。若かったのに何がどうなって死んだ後も影になって未だ彷徨ってんだろうね」
冴衣が言っているのは、司令書に記載されていた影の年齢。勿論、実際にこの世に生きていたときの年齢だ。
「四十年位前だったかな、旦那さんだった人が理不尽に殺されたらしいよ。まだ子供も小さかったのに」
資料によると、その後、まもなく柳の木の下で子供二人と女が、首を吊った状態で遺体で発見されたらしい。
恐らく柳の木の下で、長年成仏できずき彷徨っていたところを、影縫師によって闇を縫いつけられ、人間を殺すほどの力のある影となったんだろう。
冴衣とは、一緒に狩りに出るようになって、二年経つが、とにかく意地っ張りで、人に甘えるという事を知らない、厄介なお姫様だ。
さっきも普段、冴衣の怒った顔ばかり見てるから何気なく言っただけなのに、冴衣は、俺に揶揄われたと受け取ったみたいだ。
女心というヤツは、未だに全然わからない。
急に怒ったり、泣いたり、叩かれたり。最後のは、冴衣曰く、俺のだらし無さが原因らしいけど。
ほんと影の方が余程分かり易い。
「あそこだね」
俺は、柳の木から目を離すことなく、真っ直ぐに影へと向かう。遠目から見ても柳の木の陰からは、ユラユラとこの世のものではない何者かが息を潜めているのがわかる。
「十九だって。私と同い年。」
「へーっ。若かったのに何がどうなって死んだ後も影になって未だ彷徨ってんだろうね」
冴衣が言っているのは、司令書に記載されていた影の年齢。勿論、実際にこの世に生きていたときの年齢だ。
「四十年位前だったかな、旦那さんだった人が理不尽に殺されたらしいよ。まだ子供も小さかったのに」
資料によると、その後、まもなく柳の木の下で子供二人と女が、首を吊った状態で遺体で発見されたらしい。
恐らく柳の木の下で、長年成仏できずき彷徨っていたところを、影縫師によって闇を縫いつけられ、人間を殺すほどの力のある影となったんだろう。