翌日、佐由良が倉庫の片付けを終えて戻って来た時の事。胡吐野と同じ宮仕えの伊久売が何か話しをしていた。
「2人供何かあったの」
2人は佐由良がやって来た事に気付き、彼女に歩み寄った。
すると伊久売が彼女に答えた。
「昨日雄朝津間皇子がこの宮に来られたんだけど、しばらくここに滞在されるみたいよ」
「雄朝津間皇子?」
(一体誰なんだろう)
佐由良は不思議そうに思っていると、胡吐野が答えた。
「前の大王の第4皇子で、今の大王の弟になるわ」
「え、まだ皇子がいたの?それは知らなかった」
吉備海部で伝わっていたのは瑞歯別皇子までだった。他にも皇子がいてもおかしくはないが、まだ幼いか身分が低いかのどちらかだろう。
続けて伊久売が答えた。
「雄朝津間皇子はまだ11歳で、磐之媛が産んだ末の皇子よ。佐由良あなたよりも若いんだから」
「へぇー磐之媛様の末の皇子ね。それは知らなかったわ」
(磐之媛は結構たくさん皇子を産んでいたのね。本当に同じ女性として凄いと思う……)
「それで、その雄朝津間皇子がどうしてこの時期に来られたの」
最近は物騒な事件が続いていた為、この若宮内でも、割りと見張りが強化される事態になっていた。なので、そんな中で来るとなると佐由良も少し不思議に思えた。
「特に用があった訳ではないらしく、どうも久々に兄の瑞歯別皇子に会いたかったみたい。まぁ、この皇子様が謀反を起こすとは考えにくいし……」
伊久売がそう答え、胡吐野も「そうそう」と頷いた。
「2人供何かあったの」
2人は佐由良がやって来た事に気付き、彼女に歩み寄った。
すると伊久売が彼女に答えた。
「昨日雄朝津間皇子がこの宮に来られたんだけど、しばらくここに滞在されるみたいよ」
「雄朝津間皇子?」
(一体誰なんだろう)
佐由良は不思議そうに思っていると、胡吐野が答えた。
「前の大王の第4皇子で、今の大王の弟になるわ」
「え、まだ皇子がいたの?それは知らなかった」
吉備海部で伝わっていたのは瑞歯別皇子までだった。他にも皇子がいてもおかしくはないが、まだ幼いか身分が低いかのどちらかだろう。
続けて伊久売が答えた。
「雄朝津間皇子はまだ11歳で、磐之媛が産んだ末の皇子よ。佐由良あなたよりも若いんだから」
「へぇー磐之媛様の末の皇子ね。それは知らなかったわ」
(磐之媛は結構たくさん皇子を産んでいたのね。本当に同じ女性として凄いと思う……)
「それで、その雄朝津間皇子がどうしてこの時期に来られたの」
最近は物騒な事件が続いていた為、この若宮内でも、割りと見張りが強化される事態になっていた。なので、そんな中で来るとなると佐由良も少し不思議に思えた。
「特に用があった訳ではないらしく、どうも久々に兄の瑞歯別皇子に会いたかったみたい。まぁ、この皇子様が謀反を起こすとは考えにくいし……」
伊久売がそう答え、胡吐野も「そうそう」と頷いた。