支払いを終えて、今買った服をそのまま着て帰ることにしたばあちゃんは、まさに今時の若者そのものであった。誰も八十歳なんて思う人はいない。大都会の東京の若者の街になじんでいるのだ。さすが美少女!!
「少しのどが渇いたのお。お茶でも飲まぬか?」
「私、おいしいパンケーキのお店知っていますよ。行ってみますか?」
葉月さんは流行に敏感な人だ。常に情報をリサーチしているし、今のトレンドを把握することが上手だと思う。今時女子とでもいおうか。パンケーキは嫌いじゃない。むしろ好きだ。しかし、男一人で店には入りづらかった。これはチャンス到来だ。
しかし、別世界に住む学生だと葉月さんのことを思っていたから――こんな一日を過ごせるとは……別世界の人間になったように錯覚してしまう。ばあちゃんのおかげで僕の世界が広がった。失恋の悲しみも、ばあちゃんのおかげで、吹き飛んでくれそうだ。
今の時間帯は比較的空いていたらしくラッキーなことにすんなり入店できた。メニュー表を見ると、スイーツの類となるパンケーキがたくさんある。フルーツが乗っていたり、ホイップが乗っていたり……。写真にアップしたら映えること間違いないもののオンパレードだ。目移りするおいしさの楽園だった。スイーツ好きにはたまらない世界がここにある。
「もしかして、パンケーキ好きなの?」
僕の目がそう物語っていたのだろうか? 葉月さんが勘づいたらしい。
「結構、甘いものとか好きなんだよね。でも男一人っていうのも気が引けて――このような店は、はじめてなんだよね」
女子と話すことに慣れていないので、少し、しどろもどろしながら返事をした。
「じゃあ、今度またスイーツめぐりしない?」
葉月さんが思わぬ提案をしたので驚いてしまったが、断る理由もないので
「じゃあまた、よろしくおねがいします」と返答する。人生、一歩外に出たら意外と楽しいことが待っているかもしれない。今日1日部屋で泣いていたら、新たな楽しい出来事に出会うことはなかっただろう。ばあちゃんに感謝だな。
そのやり取りを見てにんまりする美少女(ばあちゃん)。身内が一緒だと正直、やりづらい。
「あたしも甘いものに目がないのだが。パンケーキという代物ははじめてだ」
「椿ちゃん、食べたことないの?」
「うむ。これはきっとうまいんじゃろうな」
席に着くとメニュー表を見て、じっくり選ぶ。
慣れた様子で葉月さんは即決していた。
バナナとチョコレートソースの人気の一品らしい。
ばあちゃんは「やっぱりあんこがのっているのがいいのぉ」といって
和風パンケーキを選んだ。
そして僕はいちごが沢山乗っているパンケーキを選んだ。
イチゴのスイーツに目がないのだ。
僕たち三人は、おいしいパンケーキに囲まれる幸せな時間を過ごしていた。
「歯が丈夫だと何でも噛めるのぉ。若いっていいのぉ」
何とも年寄りくさい発言に、受け狙いだと思った葉月さんはその発言を笑い飛ばした。
「腹もいっぱいになったし、大学を見学してみたいのお」
「いいですよ。案内しましょうか?」
葉月さんは貴重な日曜に、僕と妹(ばあちゃん)と一緒にこんなことしていて時間の無駄だと思わないのだろうか? 案内するという言葉に恐縮してしまった。
「少しのどが渇いたのお。お茶でも飲まぬか?」
「私、おいしいパンケーキのお店知っていますよ。行ってみますか?」
葉月さんは流行に敏感な人だ。常に情報をリサーチしているし、今のトレンドを把握することが上手だと思う。今時女子とでもいおうか。パンケーキは嫌いじゃない。むしろ好きだ。しかし、男一人で店には入りづらかった。これはチャンス到来だ。
しかし、別世界に住む学生だと葉月さんのことを思っていたから――こんな一日を過ごせるとは……別世界の人間になったように錯覚してしまう。ばあちゃんのおかげで僕の世界が広がった。失恋の悲しみも、ばあちゃんのおかげで、吹き飛んでくれそうだ。
今の時間帯は比較的空いていたらしくラッキーなことにすんなり入店できた。メニュー表を見ると、スイーツの類となるパンケーキがたくさんある。フルーツが乗っていたり、ホイップが乗っていたり……。写真にアップしたら映えること間違いないもののオンパレードだ。目移りするおいしさの楽園だった。スイーツ好きにはたまらない世界がここにある。
「もしかして、パンケーキ好きなの?」
僕の目がそう物語っていたのだろうか? 葉月さんが勘づいたらしい。
「結構、甘いものとか好きなんだよね。でも男一人っていうのも気が引けて――このような店は、はじめてなんだよね」
女子と話すことに慣れていないので、少し、しどろもどろしながら返事をした。
「じゃあ、今度またスイーツめぐりしない?」
葉月さんが思わぬ提案をしたので驚いてしまったが、断る理由もないので
「じゃあまた、よろしくおねがいします」と返答する。人生、一歩外に出たら意外と楽しいことが待っているかもしれない。今日1日部屋で泣いていたら、新たな楽しい出来事に出会うことはなかっただろう。ばあちゃんに感謝だな。
そのやり取りを見てにんまりする美少女(ばあちゃん)。身内が一緒だと正直、やりづらい。
「あたしも甘いものに目がないのだが。パンケーキという代物ははじめてだ」
「椿ちゃん、食べたことないの?」
「うむ。これはきっとうまいんじゃろうな」
席に着くとメニュー表を見て、じっくり選ぶ。
慣れた様子で葉月さんは即決していた。
バナナとチョコレートソースの人気の一品らしい。
ばあちゃんは「やっぱりあんこがのっているのがいいのぉ」といって
和風パンケーキを選んだ。
そして僕はいちごが沢山乗っているパンケーキを選んだ。
イチゴのスイーツに目がないのだ。
僕たち三人は、おいしいパンケーキに囲まれる幸せな時間を過ごしていた。
「歯が丈夫だと何でも噛めるのぉ。若いっていいのぉ」
何とも年寄りくさい発言に、受け狙いだと思った葉月さんはその発言を笑い飛ばした。
「腹もいっぱいになったし、大学を見学してみたいのお」
「いいですよ。案内しましょうか?」
葉月さんは貴重な日曜に、僕と妹(ばあちゃん)と一緒にこんなことしていて時間の無駄だと思わないのだろうか? 案内するという言葉に恐縮してしまった。