君と痛みを分かち合いたい

現代ファンタジー

響ぴあの/著
君と痛みを分かち合いたい
作品番号
1691787
最終更新
2024/10/22
総文字数
20,450
ページ数
2ページ
ステータス
完結
いいね数
8
ランクイン履歴

総合47位(2024/04/27)

現代ファンタジー1位(2023/03/27)

ファンタジー12位(2024/04/27)

恋愛ファンタジー10位(2024/04/27)

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現代ファンタジー1位(2023/03/27)

ファンタジー12位(2024/04/27)

恋愛ファンタジー10位(2024/04/27)

 2023年10月に発売した書籍に収録されている短編です。
「わたしを変えたあり得ない出会い」のアンソロジーです。初めて表紙に著者名が掲載されます。
 書籍と内容は同じになっています。
ノベマ!公式より、今読みたい作品 読後に前向きになれる現代ファンタジーに掲載されました。2023年6月。


 一か月前に姉が津波で亡くなった。
 家族の心はバラバラになってしまった。
 大好きだったバスケもケガでできなくなった。
 
 深く、たくさん傷をつけると心の痛みが少し無くなるような気がする。
 傷をつける瞬間が心地いい。そして、次に来る痛みと罪悪感。
 私は何をしているのだという客観的な自分を感じる。
 その繰り返しを何度も儀式のように行っている。
 もちろん誰にも知られないように、息をひそめるように――。

「その傷痛そうだなぁ」
 見たこともない男子が放課後の誰もいない教室にいた。


 傷のことは誰にも知られていないはずだ。
 誰にも見られないようにいつも長袖を着るようにしていた。
 見えない場所にしか傷をつけていなかった。
 そして、心の傷は絶対に見えないのに、どうして?

「俺、心と体の傷の痛みがわかるんだよ。キュウメイキだから」
「キュウメイキ?」
「吸血鬼みたいな感じかな。メイは命とかいて命を吸う鬼と書くんだけどね。普段は普通に高校生をやってるんだけど、人の寿命を吸い取らないとだめな体質なんだ。吸血鬼ならば血になるけれど、俺の場合は命なんだ。痛みを感じている人間を探して、契約するのが生業だ」
「はぁ?」
「君はとても辛そうにしていたから、本当は死にたいんでしょ。楽に死ぬ手伝いをさせてよ。俺が寿命を吸い取れば、いつのまにか死ねるよ」
あらすじ
 一か月前に姉が津波で亡くなった。
 家族の心はバラバラになってしまった。
 大好きだったバスケもケガでできなくなった。
 
 傷をつける瞬間が心地いい。そして、次に来る痛みと罪悪感。
 
 キュウメイキ(吸命鬼)と名乗る同じ高校の同級生、九重メイキとの出会い。
 契約をすれば寿命を吸ってくれるらしい。

 メイキには遺伝的体力的な事情があって、契約が必要らしい。

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