あっという間に飲み会の場所で使った会議室が綺麗になってしまった。

もうここには来ないのかもしれない……。
離れ難くなってしまった私は、社長が帰り支度を始めたのを見た私は、考えることもせずに

「二次会付き合ってくれませんか?」

と言ってしまった。
時間は、もうすぐ次の日を迎えてしまう。

「もう帰った方が良いよ。終電でしょ」
「社長と話がしたいんですお願いです」

お酒の力は本当に恐ろしい。
ぺらぺらぺらぺらと、私はよく喋った。舌が乾くほど。
それほどまでに、社長の前からいつもの定時上がりの時のように颯爽と立ち去ることができなかった。
社長は、私に
「カバンを取ってきてください」と言った。

それから続けて

「コンビニのお酒で良いですか?」

とも言った。
コンビニのお酒という言葉の意味がわからなかったが、もう少し社長と一緒にいられるということだけが嬉しく、私は、この会社に入って初めてのスキップをした。