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玲人と光輝のやり取りあれこれは瞬く間に全校女子に流布された。おかげで桃花たちの努力むなしく、あかねは二人のイケメンを惑わす悪女として女子たちに再度敵意の目を向けられてしまった。おかげでまた靴箱から上履きがなくなっていたり、教科書が破られたり、体操服のジャージがごみの集積所に捨てられていたりと、散々な意地悪が再開した。光輝と共に学校生活を送ってきていて、まあまあ慣れていた仕打ちだったけど、玲人が桃花と公認になって以来収まっていたので、再びやられると、ちょっと心に傷を負う。
「誤解なのにー!」
昼食時に、あかねは優菜に泣きついた。優菜もやれやれといった感じだが、慰める言葉は飾らない。
「だって事実なんでしょ、どっちにしても。それじゃあどっちかを選ぶか、他の誰かを選ぶかしないと、この騒ぎは収まらないでしょ」
「光輝は問題外だし、玲人くんとは次元が違うから無理」
不貞腐れながら応えるあかねに、優菜は仕方ないなあ、と言いつつ、机に肘を乗せてあかねの方に顔を寄せた。
「それじゃあ、取り敢えず私が出来ることを協力してあげるから、後は自分で善処しなさい」
そう言って優菜は自分の考えた案をあかねに伝授してくれた。みんなを欺くような気がして気が載らなかったけど、このまま玲人についても光輝についても、みんなに誤解されたままも辛いなと思って、最終的には予鈴が鳴る直前に頷いた。