勤務カードを押してから、紺色のチェックのベストを脱ぎ、白いシャツのボタンを外していく。
カツカツと聞き慣れた靴音が、女子更衣室に聞こえてきて、文香は、急いで白いシャツを脱いだ。
「西川課長、お疲れ様です」
淡いグリーンの下着姿のまま、西川に挨拶をすると、すぐに西川の顔が曇った。
「何?彼氏いたの?」
「あ、はい、少し前からお付き合いさせてもらってて」
「いい身分ね、仕事はできないくせに、男とヤることだけは、一人前にやって」
章介が、つけた赤い痕が、胸元から太腿まで文香の身体に刻まれている。
「彼が求めてくるので、拒めなくって……」
さも困っているかのように、文香は眉を下げた。
西川がイラついているのがわかる。眉間の皺は深くなり、口元は嫉妬で歪んでいる。
「彼からは早く結婚をと言われてるのですが、お仕事は続けたくて……これからもご指導宜しくお願いします」
頭を下げながら、文香は、口元が緩んだ。
「そうね、結婚なんてしたら自由も、ないし、家に縛られるだけよ、そんな男さっさと捨てることね」
豊満な胸を揺らしながら、Tシャツと新作のピンクのプリーツスカートに着替えると西川は、ロッカーを乱暴に閉めた。