「えー、裕介さんが?」
金彩の施されたティーカップ を片手に近所に住む、幼なじみの松田玲子は、くるんとカールさせた栗色の髪を耳に掛けながら、クスッと笑った。耳には青いラピスラズリのピアスが、光る。
「間違いないのよ」
「結衣の考えすぎじゃない?」
羽田結衣は、夫である裕介と結婚して五年。
子供はまだ居ない。結婚と同時に購入した3LDKの20畳ほどのリビングで、近くに住む玲子と結衣は、定期的に、お茶会という名目で高価な紅茶を、飲みながら、日々のたわいのない話や時に真面目な話をしながらストレスを発散させていた。
「何か浮気の証拠でもあるわけ?」
「まだ確信はなんだけど、……やけに、出張も多いし、時々夜中トイレに起きると誰かと電話してたり」
「でも、裕介さん、大学病院にお勤めだし、夜でも急ぎの患者さんの案件で、電話かかってくることだってあるんじゃないの?」
玲子は、ティーカップ 片手に、目の前に置かれた某有名ケーキ店のいちごタルトを一口頬張った。
ティーカップには、玲子のオレンジベージュの口紅がついた。
「それに、もうじき赤ちゃんだって生まれるし、裕介さんも変わるんじゃない?」
結衣は、少しお腹の膨らんだお腹を撫でながら、悪意のない玲子の笑顔に、思わず黒い感情が、顔を出しそうになった。
ーーーー玲子は、悠介と不倫している。証拠はないが、女として、妻としての勘だ。
金彩の施されたティーカップ を片手に近所に住む、幼なじみの松田玲子は、くるんとカールさせた栗色の髪を耳に掛けながら、クスッと笑った。耳には青いラピスラズリのピアスが、光る。
「間違いないのよ」
「結衣の考えすぎじゃない?」
羽田結衣は、夫である裕介と結婚して五年。
子供はまだ居ない。結婚と同時に購入した3LDKの20畳ほどのリビングで、近くに住む玲子と結衣は、定期的に、お茶会という名目で高価な紅茶を、飲みながら、日々のたわいのない話や時に真面目な話をしながらストレスを発散させていた。
「何か浮気の証拠でもあるわけ?」
「まだ確信はなんだけど、……やけに、出張も多いし、時々夜中トイレに起きると誰かと電話してたり」
「でも、裕介さん、大学病院にお勤めだし、夜でも急ぎの患者さんの案件で、電話かかってくることだってあるんじゃないの?」
玲子は、ティーカップ 片手に、目の前に置かれた某有名ケーキ店のいちごタルトを一口頬張った。
ティーカップには、玲子のオレンジベージュの口紅がついた。
「それに、もうじき赤ちゃんだって生まれるし、裕介さんも変わるんじゃない?」
結衣は、少しお腹の膨らんだお腹を撫でながら、悪意のない玲子の笑顔に、思わず黒い感情が、顔を出しそうになった。
ーーーー玲子は、悠介と不倫している。証拠はないが、女として、妻としての勘だ。