潮風が気持ちいい。
 あの日座った場所と同じ場所に座った。
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 これちゃんと撮れてる? 
 撮れてたらちょっと外出てて! 
 恥ずかしいもん

 えーっと。
 梨久君へ! 
 これを見てるって事は私は死んじゃったのかな〜。なんて小説によくありそうな事を言ってみるけど本当に死んじゃったのかな。
 死んじゃってるなら普段言えないことも言っちゃおっかな〜。
 まず、最初に梨久君に会ったのは梨久君が死ぬ直前だったよね。
 まさか人が死のうとしてるところに居合わせるなんて思っても見なかったよね。
 梨久君は凄くいい声してた。
 声からあぁ、この人絶対いい人だってわかる声。
 それに私と同じ場所で人生を終わらせようとしてた人を私が救いたかったの。
 でもまさかほんとに次の日病室に来てくれるとは思わなかったよ。
 びっくりびっくり。
 あれから沢山の事をしたよね。
 梨久君は頭がいいから飲み込みも早くてどんどん点字を覚えていくから私まで頭良くなった気分だったよ。
 梨久君の景色を伝える才能は皆無だったけどね! 
 でもそれも私のために沢山勉強してくれて
 海に連れていってくれた日、眼が見えるようになったんじゃないかってくらい景色が鮮明に見えたよ。
 嬉しかった。

 本当は手術受けたくない。
 失敗して数日後に死んでしまうくらいならもう少し長く梨久君と一緒に居たかった。
 でも私は決めたから。
 梨久君の顔、見てみたいな〜。
 好きな人の顔見ずに死ぬなんて幽霊になって出てきちゃうよ。

 好きな人って言っちゃった! 
 菜々ちゃんが来てくれた日、「好きな人に死なれたら可哀想」って言われてその通りだなって思ったしあぁ私って梨久君の事好きなんだなってその時確信? 自覚? した。
 でも自分で自分の気持ちを理解した途端怖くなった。
 私が人を好きになるって凄い大きい罪な気がしてこれ以上梨久君を巻き込めないって思ったらあんなこと言ってた。ごめんなさい。
 梨久君が戻ってきてくれた日は凄く、凄く嬉しかった。

 ねぇ、梨久君。
 私から1つお願いがあるの。

 梨久君に生きて欲しい。
 ずっとずっと生きて私に景色を教えて欲しい
 私の好きな言葉、覚えてる? 
 死んでも私は梨久君の中で生きられたらいいな。
 そう出来たら、梨久君が生きてくれたら私はずっと幸せだよ。
 私に色を付けてくれてありがとう。
 生きたいって思わせてくれてありがとう。
 一緒にいてくれてありがとう。
 大好き。
 じゃあね、ばいばい

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 視界がぼやけて何も見えない。
 気づいたらパッドを抱きしめて泣いていた。
 母さんが死んでから1日も泣かなかった僕が泣いた。
 祈莉との思い出が蘇って沢山溢れて
 止められなかった。
 僕も祈莉が好きだったよ。
 僕のほうこそ、
 ありがとう。