実際のところ、SNSに送られてくる嫌がらせのDMの数は以前より減ってきていた。
那央くんが生徒指導の三上先生にわたしと健吾くんが義理の親子であることをうまく伝えてくれた効果かもしれないし、わたしが嫌がらせに過剰反応せずに無視していたから周囲が飽きたのもあると思う。
「嫌がらせでも、呼び出しでもないよ。ただ、誕生日プレゼントもらっただけ」
「プレゼント?」
ツナマヨおにぎりを両手で包んでニヤニヤすると、唯葉が不思議そうに首を傾げる。
「何でもなーい」
少し浮かれた声でそう言うと、わたしは自分の席に座って、大切に優しく、ツナマヨおにぎりの包みを開けた。