「わたし、健吾くんと家族になるよ。ちゃんと、受け入れる」
「そっか」
那央くんが、決意を言葉にしたわたしの頭をグシャグシャと撫でてくれる。
「那央くんも、彼女と仲直りしてね」
「人の心配してるなんて、余裕だな」
目を細めた那央くんの顔が、笑っているはずなのに、何故か切ない。
このまま腕を伸ばして、彼のことを包んであげる権利がわたしにあればいいのに。
写真の中で笑っていた夕夏さんと、今の彼女の顔を思い浮かべながら、そんなふうに思ってしまった。
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