では、そんな私が何故、『シンデレラ』というお話が大嫌いなのか。

 それは、シンデレラの夢を叶えた魔女の魔法に文句があるからだ。

 そう言うと、大抵の人は、あのガラスの靴に対して不満があるから、私がこんなことを言いだしたと思うのではないだろうか?

 多分、『シンデレラ』を読んだ人ならば、必ず浮かべる疑問だろう。

 何故、12時を過ぎても、ガラスの靴だけは消えなかったのか。

 シンデレラが着ていたドレスも、城に向かうまでのカボチャの馬車も消えたはずなのに、ガラスの靴だけは消えることなく王子様の手に渡り、その後の展開は、もう今更語るまでもないだろう。

 でも、そんなことに理由はないんだと思う。

 魔法が使える魔女がいる世界で、こちらの合理性を押し付けること自体が無粋だと、私はそんな風に思ってしまう。

 ならば、いい加減、私の結論を述べようと思う。