「……まさか、織矢くんがあんなにしつこい人だったなんて」

 いつの間にか、枕に顔を埋めていた私は、そのまま足をバタバタさせて暴れ回る。

 それは、織矢くんにあんな姿を見られたという羞恥心もあったし、自分の浅はかな行動を恨んでいるからでもあった。

 だけど、こんな駄々をこねるような行動をしていても、何かが解決するわけではない。

 こうなったら、何とかして織矢くんには諦めてもらうしかない。

「……でも、あれだけ断ってるのに、諦めてくれないからな」

 正直、根競べという意味では、私はすでに敗戦濃厚だ。

 だけど、ここで折れるわけにはいかない。

 そう自分自身に発破をかけてみたものの、結局、ベッドの上で色々と試行錯誤をしてみた結果、私の頭で名案が思い浮かぶはずもなく、1日を終えてしまったのだった。