わたしのお弁当を作ってくれるなんて、これもまた随分と久しぶりだったはずなのに、わたしの生活の当たり前になって来ている。

 それがどうしてか、わたしは受け入れることができないでいる。

 どうしてなのか、自分でも分からない。

 近江家の人たちは、決して悪い人じゃないってことは、嫌というほど思い知らされた。


 本当に、嫌というほど。


「……くっ」

 今日の朝に見た夢と、近江家で過ごしたこの一週間が交互に再生される。

 わたしにとっては、どっちの世界も、好きになれそうにない。


 いつになったら、わたしは普通に暮らせる場所を見つけられるんだろう。


 考えたくもないことを考えてしまう、そんなくだらない早朝になってしまった。