あと、憂ちゃんに連絡ツールアプリをほぼ強制的にインストールさせられた。

 そのアプリでは『グループ』といった、多人数で共有できるチャット? のような機能があって、わたしはそのグループに登録させられた。


 グループ名は『近江家』


 うん、非常にわかりやすいし、誰がメンバー登録されているのかも、確認しなくてもわかった。

 そして、わたしが登録し終わると、一斉にメッセージが表示された。


『よろしくね~愛美お姉ちゃん♪』

『よろしく』

『よろしくお願いしますー』

『宜しく! 愛美ちゃん!』


 目の前にいる近江一家が、スマホを握りしめながら、にこっとわたしに微笑む。

 直接言えばいいようなものを、時代の変化を感じてしまう……というのはやや大袈裟か。

 わたしは、その視線から逃げるように買ってもらったばかりのスマホに、たどたどしく文字を打って返信した。