って、いやいや、ちょっと待て。
それなら、わたしは必要ないじゃん!
どうして素直に車に乗り込んだ、30分前のわたし!
訳のわからない状況を何とか整理しようと、必死で思考を巡らせる。
えっと、まず、わたしが車に乗ってしまったことは仕方がない。起きてしまった出来事を反省するほど、無駄なことはない。自分の行動の失敗を嘆いたところで、時間が戻るわけじゃない。
それならば、次に起こる出来事に焦点を置こう。
問題は、これから行く目的地だ。
由吉さんは、何故か行き先を教えてくれなかった。
一応聞いたのは聞いたのだが、「ふふふ、着いてからのお楽しみだよ、愛美ちゃん」という、含みを持たせた返答しか得られなかった。
いや、教えてよ。
こっちにも、心の準備ってものがあるんだから。
まさか、このまま家族で行楽地に出発! なんてことにはならないよね?
もしそんなことが現実になってしまったら、わたしの日曜日は地獄へと変貌してしまう。