「あんた、いじめられてるの?」

「うーん、どうだろう。掃除を1人でするように押し付けられるのって、いじめなのかな?」

 だから、そんなことわたしに聞かれても困るんだって。

 ただ、いじめって、当事者がいじめだって思ったら、それはいじめになるとか、教育委員会の偉い人が言っているのをテレビで聞いたことがある。

 そのケースを当てはめるのだとしたら、答えは倉敷さんにしか分からないということになる。

「なるほど、じゃあ、さっきも遠野さんが言ってくれたけど、断らないわたしも悪いわけだから、いじめじゃないね」

 その旨を伝えてあげると、倉敷さんは自分で結論をつけたようだった。

「でも、やっぱりわたしの考えた通り、遠野さんって、わたしと似ている気がするよ」

 いや、だからどうしてそうなる?

 自分の状況を自分で結論づけるのはどうぞ勝手にやってくださいという感じだが、わたしを巻き込まないでほしい。

 しかし、それ以上に彼女は突拍子もない提案をしてきた。