「…………こない」 かれこれ1時間、わたしは改札口の前の広場で呆然と立ち尽くしていた。 あまり荷物を入れていないはずのリュックサックを背負っていることすら、しんどくなってきた。 もしかして、わたし、だまされた? そんな単語がさっきから何度も頭によぎっている。 そもそも、おかしいと思っていたのだ。 まだ中学生のわたしを、居候させてくれる大人が本当にいるなんて。 わたしは、自分に悪態をつきながらあの日のことを思い出していた。