新しいクラスメイトが増えたことによって、教室がちょっとしたお祭り騒ぎになっていた。

 転校生が来ることはわかっていたはずだから、その間に「どんなやつが転校してくるんだろう?」と、皆が少なからず興味をもっていたのだろう。

 その証拠に、休み時間になると、まずは女子グループの何組かが声をかけてくる。

 わたしからすれば、迷惑極まりない話だ。

 どこから転校してきたのか?

 前の学校は何が流行っていたのか?

 部活動には入る予定なのか?

 そんな質問が、次から次へとぶつけられる。

 わたしは、できるだけ声の抑揚を抑えて、まだ緊張して上手く話せない転校生を演じてその場を乗り切った。

 きっと、わたしをグループに入れようと目算したのだろうが、残念ながらわたしにその意思はない。

 わたしは、ただただ1人で、学校生活を静かに送りたいだけなんだ。

 ほっといてくれ、と叫びそうになるが、もちろんそんなことは言わない。

 わたしだって、いくら自分が社会不適合者だと認識していても、蔑まれたいわけじゃない。

 ちゃんと、馴染めないなら馴染めないなりに、ひっそりと生きていくつもりだ。