あなたたち、どうして結婚なんてしたの? どうして、わたしなんかを生んだの? 今日こそ言ってやろうと思ったその台詞を、結局呑み込んで、わたしは、ポストに入ってあった一通の手紙を握りしめていた。 『遠野愛美(とおのまなみ)様』 初めて自分宛に届いた手紙に、わたしは嬉しくて、それこそ叫びだしてしまいそうになるのを抑え込むのに必死だった。 その代わりに、小さな声で呟く。