あのあと、つまり、由吉さんがわたしの着替えているところを目撃したあと、彼は憂ちゃんと久瑠実さんという女性コンビにこっぴどく叱られてしまったらしい(蓮さんが教えてくれた)。
だが、まだまだ怒り足りないのか、久瑠実さんは正座する由吉さんの目の前で笑顔を浮かべながら仁王立ちしているし(笑っているのが逆に怖い)、憂ちゃんはこの通り、頭から煙が出るんじゃないかといわんばかりに怒っている。
そして、蓮さんは巻き込まれるのが嫌なのか、ホットコーヒーを飲みながら静かに文庫本を読んでいた。
なんだか、わたしのせいでとんでもない事件が発生してしまったようだ。
そんな空気に耐えられなくなってしまったわたしは、誰とも目を合わさずに、ぽつぽつと独り言のように呟いた。