そんなことを考えていると、目の前にいる3人が、わたしに期待を向けるような目線を送ってきていた。

「ほら、次は愛美ちゃんの番だよ」

 後ろにいた由吉さんが、わたしの肩に手を置いて、話しかけてきた。

「あっ、えっと……」

 どうしよう、さっきは由吉さん1人だったから何とか自分の名前を言えたものの、わたしは会話というものが苦手だし、それ以上に、こんな大勢(4人でもわたしにとっては『大勢』だ)の中で、自分のことを紹介するなんて……。


 数秒間、沈黙が続く。


 それでも、由吉さんたちは何もいわず、困ったような顔も浮かべないで、にこにこしながらわたしを見つめる。

 このままじゃ埒があかない。

 そう思ったわたしは、震える声を振り絞って、なんとか言葉を紡いだ。