「ごめんね愛美ちゃん。うちの人たちって、僕以外はだいたいこういう感じの人たちだからさ。ちょっと騒がしいけど勘弁してね」
「蓮お兄ちゃん! あたしはね、愛美ちゃんとあまーい女子トークをしようとしてるんだから、邪魔しないでよ。ねっ、愛美ちゃん♪」
人なつっこい笑顔でそう言われたけれど、わたしに会話を振られても、非常に困る。
そんなわたしの心境を悟ってくれたのか、はたまた憂ちゃんの扱いが慣れているのか、眼鏡の男性、蓮さんは憂ちゃんをそのまま引っ張って後ろに下げさせた。
「だから、愛美ちゃんを困らせるなって言ってるだろ」
蓮さんは指で眼鏡の位置を直しながら、わたしに目線を送ってくる。
その瞳は、まるでわたしを吟味しているように、じっと見つめてくる。
しかし、蓮さんはすぐに先ほどの笑みを戻して、会話を再開させた。
「よし、せっかくみんないることだし、改めて自己紹介しようか」
そんな蓮さんの言葉に最初に反応したのは、由吉さんだった。