「……いたっ!」

 だけど、わたしは、全身が固まってしまうくらいの激痛を、お腹の部分に感じてしまう。それで、腕をあげることもできなくなってしまう。


 どうして、こんなタイミングで。

 まるでわたしは呪いが発動してしまったように、その場に蹲る。

 霧島から受けた傷が、疼く。


 しかし、すでに背を向けている智子は、わたしの様子に気づいていない。どんどんと、わたしから遠ざかっていく。

 だけど、わたしは、彼女を止める術がなく、結局わたしは、智子が公園から去ってしまったあとは、ベンチに蹲って、痛みに耐えるだけだった。

 そして、傷の痛みが治まったころには、息が切れて、全身が汗だくになってしまっていた。


 もう、智子の姿はどこにもなかった。