「愛美ちゃん……。私、全部知ってるよ」
知ってる?
この子が、いったい何を知っていると言うんだろう。
もしかして、わたしのことじゃあ……と、一瞬身構えたけれど、わたしの予想とはほんの少しだけズレているものだった。
「へへっ、最近のネット社会って、本当に怖いね。知りたくもない話が、どんどん入ってくるよ……どうして、急に愛美ちゃんが私を避けようなんて思ったのか、全部分かった」
「智子……」
智子の台詞で、わたしは全てを理解する。
この子はもう、わたしが今置かれている状況を細分に把握しているのだろう。
だからこそ、こうして、わたしの前に現れた。
「私のせい、だったんだね? 私を助けたせいで、愛美ちゃんが酷い目にあってるんだよね?」