目的地に到着するころには、わたしは小走りのまま彼女の待つ公園へとたどり着いていた。
制服姿のまま来たわたしとは違い、智子は、まだ肌寒い夜だというのに、うすい青色のTシャツに、ハーフパンツ姿だった。
そして、公園のベンチの隅で、縮こまったように座っていて、わたしの姿を見絵ると嬉しそうな、だけど目が潤んでいて、泣きそうな表情になっているように見える。
「愛美ちゃん……」
そして、彼女は電話で聞いた弱々しい声のままだった。
「ちゃんと……来てくれたんだね」
「……あんた、わたしが来なかったら、朝まで居そうな気がしたから。さすがにそれは、こっちも気分が悪い」
「あはは、相変わらず、愛美ちゃんは私に厳しいね」
発言の内容は、わたしを弄ってくるようなものだったけれど、どうしてか、その智子の発言を聞いて、ちょっとだけ嬉しくなる。
ずっと培ってきた、智子との関係。
だけど、この子とこうして二人っきりで話すのは、今日で最後だ。
そう決意して、わたしが、全てを話そうとしたとき、智子が告げる。