「あの……、由吉さんは、どうしてわたしなんかを居候させてあげようと思ったんですか?」

「ん?」

 わたしの質問の意図が伝わらなかったのか、不思議そうに首を傾げる由吉さんに、もう少し言葉を付け足して、再度質問する。

「えっと、わたしの家って、親戚付き合いとか全然していませんでしたし、わたし自身も由吉さんとは面識がなかったはずなんですけど……、そんな子をどうして一緒に住まわせてくれるのかなって……」

 さらに言えば、お金を貸した親戚の子供なんて、普通居候させようとは思わないだろう。それに、あの両親のことだ。

 借りたお金なんて、一銭も返していないに違いない。

「あー、成程ねー」

 だけど、そう呟いた由吉さんは、得心がいったといわんばかりにうんうんと何度も頷くだけで、わたしの質問には答えてくれず、代わりにこんな言葉を投げかけてきた。